丹後建国1300年記念事業は、丹後地域の2市3町(舞鶴市、宮津市、京丹後市、与謝野町、伊根町)が、歴史・文化の側面から地域資源を掘り起こすとともに、国内外に丹後地域を発信することを目的とされています。
本プロジェクトでは、記念事業への参加と、広域的地域連携プラットフォーム形成への貢献、という短期及び中長期の両面から関わりを進めていきます。具体的には、学生による情報発信と丹後の人々をつなぐプロジェクトや、近年注目を集める、新たな観光の枠組み"DMO(Destination Management Organization)"の丹後モデル提案などに取り組みます。
今年度は、丹後建国1300年祭への学生関与を含む事業への支援と自治体を跨ぐ広域連携の必要性についての情報発信を中心に事業を推進します。シンポジウムの開催支援及びDMO創設に向けた調査の実施、学生によるビジュアルコンテンツの制作を行います。
実施日時・場所
日時: 11月23日(土)9時~17時、24日(日)10時~16時
場所: 京丹後市役所、小町の舎、小西川プロムナード
京丹後市における政策課題について、夏に合宿を行い、ヒアリング、現場視察など地元のニーズ調査を行った学生13名が、11月23日、24日の2日間にわたって、地元からの参加者に向けて中間報告を行った。概要は以下の通りである。
先ず、23日は、14時から京丹後市の「小町の館」を会場に、大宮町エリアにおける取り組みの成果を報告した。当日を前に学生たちが調査で協力を得た関係者に手紙で参加を呼びかけるなど、多くのステイ九ホルダーを巻き込んだ報告会が目指された。
地域から出されていたテーマは「農村地域活性化」である。夏の2回にわたる合宿では、①景観・産品・人材・施設の調査②ヒアリングと現状分析、活性化の糸口が見えない高齢者と若者、NPOと町会組織との橋渡し③三集落の夏祭りの手伝いと参加―などを実施する中で、地域課題の把握を行った。さらに龍谷大学の留学生プログラム、ワークショップを現地で実施した。
報告では、「複線型地域再生」を掲げ、大宮町五十河地域における新しい地域再生について提案した。内容は、現地調査を通して発見した課題として①農業の衰退②活用されていない地域資源としての「民家苑」と呼ばれる古民家群の存在を挙げ、その課題について、農地の集約による農業再生と、民家苑を国際交流拠点として活用するというものである。参加者からは、10年後の地域の姿についての検討を求める声や、第六次産業の振興に期待する声などが寄せられた。
24日は、午前中に、峰山町エリアの小西川プロムナード、御旅市場などを現地視察し、また関連資料を読み込む中で、周辺の課題を検討した。小西川プロムナードは、平成20年の局地的豪雨による氾濫で大きな被害をもたらした小西川の改修の中で浮上した計画で、「みんなで小西川に人集う小径をつくろう協議会」が整備を求めてきたものである。今回のワークショップでは、学生13名と、協議会メンバー15名が、魅力ある小西川プロムナード整備に向けて検討した。全体を3グループに分け、学生が自己紹介、各自5つのアイデアを提案した上で、協議会メンバーと意見を交換する方式で進められた。各グループからは、ウォーキングコースの看板の設置や、以前は見ることができたホタルを復活させるような河川の美化活動、歩行者を重視した清掃、フットライトの設置、安全柵やベンチ、雨宿りのできる場所の創出、植樹など実現可能性の高いものから、全体が800メートルであることに着目して、丹後ちりめんをつかった綱引きや、サンドアート、笹舟流し、トライアスロン、写生大会、流しそうめんなど多様な意見が出された。また地域発信と全国発信をともに行う視点から、小西川ハーフマイルクラブの設立などについても意見が出された。参加者からは、学生の意見には大人では出てこない発想があり新たな発見につながる、元気が出るなどの声が寄せられた。
今後、同市との連携を視野に、大学と地域連携の事例として体系化し、学生による政策提言プログラムを開発する予定である。学生がこれらのプログラムに参加することを通じて域学連携の地域課題解決の仕組みを学ぶアクティブ・ラーニング、PBLの開発に繋げていくことを目標としている。
ワークショップ風景 視察打合せ風景