観光関連ビジネス以外も視野に入れたキャリア開発を学生に促すために「歩いて楽しいまち京都観光プログラム」を実施しています。具体的には、(A)京都「おもてなしの心」キャリア開発特別研修セミナー―観光ガイド研修を通したコミュニケーション実践講座―、および(B)社会人基礎力養成をめざした次世代型ツーリズム教育研究会の開催、という2つのアプローチで行っています。
【京都「おもてなしの心」キャリア開発特別研修セミナー】
旅行会社である(株)らくたびが実施する職能訓練を通して、本学学生が京都観光ガイドのわざと心を学び、社会人基礎力に不可欠なコミュニケーション能力を養成しました。
10月 事前研修の実施
教室におけるガイド基礎講座(アイスブレイク、4 回生の 3 回生へのサポート、ガイドの心得、 ガイドに必要なスキル、安全と接客、ガイド内容の構成)を行いました。
11月 現地実習の実施
京都市東山地区における現地実習を行いました。
ガイドブックから自分のガイド原稿を事前作成したり、グループによる練習を行い、相互評価とフィードバックを行いました。
参加学生からの事後評価は非常に高く、特に全ての学生が人前で話す準備作業の重要性、五感を使って伝える努力、最も伝えたいことを簡潔に話す技術などについての評価が高かったと言えます。
【社会人基礎力養成をめざした次世代型観光教育研究会の開催】
地域連携をめざした学部・大学院における観光学教育について、各地の先進的取り組みを議論し、あわせて学生同士の議論も含めて、社会人基礎力の養成と地域社会からの要望に対応する教育方法を検討しました。特に若者に人気の次世代型ツーリズムであるコンテンツ・ツーリズムに焦点を絞ることで、学部1・2回生、3・4回生、大学院生の各段階における教育方法の改善を図ることができました。全国各地の実情をふまえて、教育担当者と交流を継続することは、関連学会でも少ない試みといえます。
12月 第 1 回研究会の開催
初年次教育における観光情報に関連する学習方法、3,4 回生のゼミ活動および卒論指導における 問題点(特にフィールド調査)、コンテンツ・ツーリズムを素材とした学部教育と大学院教育の接 続に関する問題点、等が報告され、議論を重ねました。
2月 第 2 回研究会の開催
現実の就職活動が進行するなかで、学生同士のグループワークを通した相互交流と情報交換、企業側から求められる社会人基礎力に関する議論、コミュニケーション能力に関するワークショップを実施しました。
3月 第 3 回研究会の開催
ヘリテージ・ツーリズムとコンテンツ・ツーリズムを比較しながら、大学院における観光学教育の方法論を議論しました。