伝統産業の継承には、文化財としてだけではなく、普及品としての存在が不可欠であり、普及品によって伝統産業の理解の裾野が形成されます。さらに、今後、陶磁器においても世代別のライフスタイルに応じた商品開発も求められており、どうしても若い世代の関心を高める必要があります。
本プログラムは、京都市山科区を中心とした伝統産業地区との連携により、マーケティングを実践的に適用することで、京都の伝統産業を活性化することを目的にしています。特に、京都の清水焼を題材として、演習形式の授業や学生主体の研究会などにおいて、伝統工芸品の商品企画やマーケティングリサーチを通して、マーケティングの実践教育を推進します。マーケティングの実践教育プログラムを体系化するために、①伝統産業に対する学生の理解を深めること、②伝統工芸品の新商品を企画開発すること、③新商品の試作品調査などのマーケティングリサーチを実施することから構成しています。
本プログラムでは、平成24年度に、陶芸体験や、「ノリタケの森」におけるフィールドワーク、陶芸家との打ち合わせなどを行い、商品を提案しました。
平成25年1月の段階で、学生からは「五山送り火ランプシェード」「五重塔ランプシェード」「手型アクセサリー置き」「水車小屋風テープカッター」「お玉置き」「舟形スマホスタンド」の6アイテムの提案を行いました。それを踏まえて、3名の陶芸家と担当教員により、「五山送り火ランプシェード」「手型アクセサリー置き」「水車小屋風テープカッター」「舟形スマホスタンド」の4アイテムの試作品を製作することに決定し、正式にこれら4アイテムの企画案にもとづき陶芸家による試作品の製作を行いました。