京都の伝統産業である和装の衰退が言われて久しいが、その伝統工芸としての意義を学び、その継承に向けて、様々な機会を広げていくことは極めて重要と考えられる。もちろんそれは専門家集団による取り組みが基本になければならないが、その一方では、平均的な市民にも理解が広がることが重要であり、そうした市民によって支えられてこそ伝統が花開くことになる。
手描き友禅もそうであって、今や衰退といわれる状況にあるが、そうした伝統の良さを現代に伝えること、それを学生と工匠とのコラボレーションの下に、絹ではなく木綿のエコバッグに思い思いの絵がらを書き込んでいく手法で進めるとき、従来とは違った友禅の世界とその手作り感が生まれることになった。2013年3月3日に実施された伝統工芸塾「友禅で手作りエコバッグ」は、まさにアクティブ・ラーニング(能動的学習)としての新たな試みが始まっていると考えることができるものである。
本プロジェクトは、2013年3月3日に、待賢ひな人形展(3月2日から3月10日まで)の連動まちづくりイベントとして同志社大学政策学部学生によって開催され、伝統工芸にも、新たな視点を加えることになった。また学生の積極的な参加による学びの場の活性化が見られることになったのである。(以下、試作品の写真)