京都橘大学
3 地域課題調査手法の開発
3‐1:地域住民参加型デジタルアーカイブを担う公共人材育成プログラムの開発

地域住民参加型デジタルアーカイブを担う公共人材育成プログラムの開発

平成26年度事業名:デジタルアーカイブ開発のための基礎的な知識と技能の修得

 地域住民参加型デジタルアーカイブにおいて、そこで必要とされる人材については、「ICTに関する知識や地域の歴史的な資料への興味、アーカイブ活動を通じた地域活性化への思い、コンテンツ提供者と円滑なコミュニケーションを図るためのスキルなど、多種多様な知識・素養が必要」であると考えられます。本取組では、これらで必要とされる知識やスキルを身に着けた学生を養成することで、地域住民参加型デジタルアーカイブを担う公共人材の育成を目指します。

 平成26年度は、2013年度までに学んだ、静止画撮影、動画撮影、ホームページ作成などの知識・技術に加え、インタビュー技法のスキルを学ぶことで、人材養成カリキュラム作成の基盤づくりを行います。

平成26年度スケジュール(予定)
5月 ホームページ作成支援講習会
6月 オーラルヒストリーのためのインタビュー技法講習会
7月~9月 職人や地域の歴史の証人等のインタビューならびに撮影
10月 動画編集ならびにナレーション入れ
3月 収集したデータをもとに、基礎的データの公開

インタビュー技法講習

実施日時:2014年6月9日(月)
実施場所:京都橘大学
参加人数:43名
講師:貞包みゆき氏

内容:
オーラルヒストリーなどのデジタルアーカイブを目的としたインタビューの技法について講義及び実習を行った。

・実施内容は以下のとおりです。
(講義)
・インタビュー前:事前企画、最初の接触、背景の取材、質問項目、機材などの準備、取材前日の準備
・インタビュー中:到着、インタビュー(機材のセッティング、積極的な無駄話、質問の仕方、聞き方)
・インタビュー後:礼状、文字起こし、編集、報告

(実習)
・「はい」、「いいえ」で答えさせない質問の仕方 等

講師の貞包みゆき氏は、NHKの「戦争証言アーカイブス」などのインタビュアーとして活躍されており、その経験を基にした講義及び実習は、学生たちにとって極めて重要な示唆を与えてくれました。今後フィールドでの学生たちのインタビューにここで学んだ事柄が活かされることで、質の高いオーラルヒストリーが収集できるものと思われます。


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インタビュー後

デジタルコンテンツ「おいでやす京都(http://www.gyosan-oideyasu.com/)」の観光施設案内を充実させるため、京都水族館、京都市動物園の取材並びに撮影を行いました。

なお7月7日以降、取材先の事前調査、取材交渉、撮影並びにWeb掲載許可の方法等について事前学習を行い、参加学生によって実際の交渉等を行い、許諾を頂きました。

実際の取材ならびに撮影は、先方との日程調整の上、京都水族館は9月17日に飼育員の取材、水族館展示施設ならびにイルカショウの撮影、京都市動物園は10月28日に飼育員への取材および動物園展示施設の撮影等を実施しました。 

現在、Web掲載のための編集など各種処理を進めており、年度内に掲載を完了する予定です。

デジタルコンテンツ「おいでやす京都(http://www.gyosan-oideyasu.com/)」の観光プランに掲載する観光プランの作成および実地検証(静止画撮影を含む)を行いました。現在、Web掲載のための準備を進めており、年度内に掲載を完了する予定でです。

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講義「デジタルアーカイブの情報構成について」報告

実施日:2015年2月9日
講師:宮本聖二氏(NHK放送研修センターエグゼクティブ・プロデューサー)

NHKにおいて戦争証言アーカイブスや東日本大震災アーカイブスの責任者として活躍した宮本聖二氏(現NHK放送研修センターエグゼクティブ・プロデューサー)を講師に招き、主に戦争証言アーカイブスを事例として、インターネット上のホームページにおける動画、静止画、テキスト情報などからなる公開用コンテンツの情報構成についての講義を実施した。

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まとめ

これまでの展開の中で、ICTに関する知識、静止画ならびに動画の撮影および編集について学び、特に今年度はコンテンツ提供者と円滑なコミュニケーションを図るためのスキルを身に付けることで、本プロジェクトが目指す地域住民参加型デジタルアーカイブを担う公共人材育成のカリキュラムについて、情報発信並びに情報取得の技術的な側面については、おおよその検証が済んだ。

残る課題は情報コンテンツの知的財産としての処理について、実践的な能力を身に付けることである。次年度以降はこの課題を中心に、地域住民参加型デジタルアーカイブを担う公共人材の育成を目指す全体のカリキュラムを構成について検討することとする。 

平成26年度