成美大学は、2012年度より福知山市三和町大原地区(以下、大原地区)で地域の歴史と自然と文化に育まれた景観を守り、育てる活動をしている「大原うぶやの里活性化推進協議会(以下、活性化協議会)」と「京の景観パートナーシップ事業」に関する協定を締結しています。
今年度で3年度目となる大原地区における活動は、参画する学生メンバーの顔触れは変わりましたが、引き続き、地域と大学とが連携したアクティブ・ラーニングを展開するなかで、学生には現場での学びの機会を、また地域には学生と協働した取組を行いながら地域課題の解決策を提供しています。併せて、「地域で学生が主体的に学べる場づくり」も手掛けていきます。
5月2日に大原神社絵馬堂で開催された、「うぶやの里フェスタinみわ」(大原神社例大祭)宵宮には、学生1名が参加し、地域の祭りの様子を丹念に観察しました。
5月3日に大原神社で開催された「うぶやの里フェスタinみわ」(大原神社例大祭)本祭には、学生7名が参加し、初めて訪れる祭りの様子を観察するとともに、男子学生は神輿渡御を、また女子学生は餅つきの手伝い等を行いました。神輿御渡には、今春卒業したOB2名も応援に駆け付け、神社境内や沿道で声援を受けながら、無事に大役を果たすことができました。
「写真提供 東家零子氏」
5月8日夕方には、活性化推進協議会役員の方々6名が本学にお越しになり、今年度より顔触れが変わった滋野ゼミのメンバー8名と顔合わせを行いました。お互いに自己紹介をした後、本学との連携の経緯や背景についての説明を行いました。活性化協議会の小林英夫会長は、「京都府の景観資産にも登録されている、大原うぶやの里の景観を守り、育てていくために何が必要なのか、実際に地域を見て、地域の魅力や課題を発見し、活性化や課題解決策を考えてほしい」と学生にエールを送られました。
5月25日(日)、3回生6名が、本学と「京の景観パートナーシップ事業」に関する協定を結んでいる、大原うぶやの里活性化推進協議会主催の「お田植祭」に参加しました。
朝早くから、男子学生は田植え用の苗の準備の手伝い、また女子学生は担当する早乙女の衣装に着替えなどを行いました。
午前中の「お田植祭」では、まず早乙女による田植神事の後、学生を含めた一般参加者の田植を行いました。当日早乙女に扮した女子留学生は、「田んぼに入ったの初めて」という学生も多く、慣れない手つきながらも楽しく田植えをしていました。
大原神社絵馬殿での昼食後、午後からは、畑でサツマイモの苗植えを行いました。畑のそばにある有害鳥獣を捕える檻に学生たちは興味津々。田畑に張り巡らされた電気柵とともに、鳥獣被害の深刻さを感じ取ってくれたようです。
最後は京都府内唯一の鍾乳洞である京丹波町の質志鐘乳洞へ。暑い屋外とはうって変わってひんやりとした鍾乳洞の中の「探検」を終え、自然を満喫した1日となりました。
「地域の景観を守り、育てていく」という地域の課題に対して、大学は地域と連携の中で何ができるか、またその中で、学生がいかに学び、地域がいかに変わっていくか、これからも考えながら取組を進めていきます。
10月26日(日)、本学3回生4名が、本学と「京の景観パートナーシップ事業」に関する協定を結んでいる、大原うぶやの里活性化推進協議会主催の「収穫感謝祭」と「大原&質志 秋のいなか体験ツアー」に参加しました。
これまでは、大原神社の「新嘗祭」に合わせ、青少年育成活動の一環として都市部の子どもたちに自然体験や農業体験をしてもらう「収穫感謝祭」の単独開催でしたが、今回初めて都市部の家族連れを対象に、農山村のライフスタイルに関心を持ってもらうことを目的とした「京都村ダーチャプロジェクト」の一環で実施している「大原&質志 秋のいなか体験ツアー」(成美大学も協力団体)との同日開催となりました。
朝早くから、今回のツアーを受け入れる大原うぶやの里活性化推進協議会と質志鍾乳洞公園協力会のメンバー に混じり準備を進める中、女子学生は、地元の方と一緒に、昼食づくりを手伝いました。
昼食は鳥獣被害対策としても活用の進められている鹿肉の入ったカレーと、地元で採れた柿と栗。山里の味を堪能しました。
午後はしめ縄づくり体験と餅つき。
学生たちは次々とつき上がる餅を丸めたり、容器に詰めて参加者に配る手伝いをしました。
今後、12月に開催される「学生ゼミナール大会」での発表に向けて、フィールドワーク地域の課題発見や、地域の資源の活用提案等について、考えていく予定です。
6月6日、グリーンツーリズム論の履修学生が綾部市上野町五反田で行われた神饌田の田植祭に参加しました。
お声掛けいただいた櫛田寒平さんは綾部在住のミュージシャンで、3年前に東京からIターン移住し無農薬で機械を使わない米作りにも挑戦しています。学生達は神事に参列した後、昔ながらの手植えでの田植え体験に歓声を上げていました。
今年度は、5月11日に開催された毛原の棚田『taikan』ツアー田植え会に国内フィールドワーク履修学生2名が前日準備から参加しました。
毛原の棚田『taikan』ツアー田植え会に参加できなかった国内フィールドワーク履修学生1名が、農山村地域における竹林管理の現地調査をかねて5月16日に毛原でタケノコ掘り実習を行いました。
指導いただいたのは毛原で農家民宿「コテージ棚田の里」等を営む川瀬保さん。1997年に実施された第1回目の棚田農業体験ツアー参加が縁で毛原へIターンされた川瀬さん夫婦はどぶろく(濁酒)の生産・販売やブルーベリーガーデン&カフェの経営も手がけ、多彩に活躍されています。
この授業では今後も毛原での活動に参加しながら、地域活性化に関する調査・研究を進めていく予定です。
9月14日(日)、春の田植え会に続いて福知山市大江町毛原の稲刈りに国内フィールドワーク履修学生2名と教員2名(滋野・中尾)が参加しました。
収穫された稲は「稲木干し」されます。
作業の後は「万願寺カレー」を食べながらの交流会。
今後これら交流イベントを含めた「多自然地域の活性化」に関する各種方策についての文献調査や追加ヒアリング等を進め、レポート作成を行います。
毛原の棚田『taikan』ツアー稲刈り会に参加できなかった国内フィールドワーク履修学生1名が10月10日(金)、毛原の棚田『体感』ツアー実行委員の1人が管理人をしている福知山市大江町「鬼の里Uターンプラザ2」事務室で農山村地域への移住者増加策に関する聞取り調査を行いました。
この施設は旧大江町の時代2002年6月に建設された「45歳未満」限定の定住促進住宅。名称は「Uターン」となっていますが、実際には「Iターン者」も入居している、とのこと。聞き取り調査に協力いただいた小澤さん自身も大阪府茨木市から2005年に大江町へ移り住まれた『田舎くらし実践者』です。
今回お話を聞かせていただいた内容も踏まえ、追加調査も行いながら今年度の後期で「多自然地域の活性化」策に関するレポートをとりまとめていきます。
国内フィールドワーク履修学生3人が12月16日(火)、毛原公民館で今年度末の調査結果とりまとめに向けた聞き取り調査を行いました。毛原の棚田『体感』ツアー実行委員1人の職場へ個別に伺った前回に続き、今回は毛原区長さん含め5人の皆様から地域の様々な実情について話を聞かせていただきました。
今後これら調査結果を踏まえて、最終的な報告のとりまとめ作業を行っていきます。
5月24日、グリーンツーリズム論の履修学生13名が奥山集落での交流イベントに参加しました。
古民家を改修した交流拠点「一輪亭」がオープンし、その施設を活用した最初の企画「もち米田植え&ビオトープ生き物調査」として実施された今回のイベントには地元小学生や兵庫県立大学の学生など多くのお客様が訪れましたが、本学の学生は運営側をお手伝いする立場から、子ども達のサポート・ビオトープ周辺の環境整備・獣害防止ネット設置を行いました。
最後は一輪亭の前に流れる清流の水で泥を洗い流し、来月ここで行われるホタル祭への再訪を約束し、福知山へ帰って来ました。
6月21日、グリーンツーリズム論の履修学生12人が「第33回ほたる祭」に参加しました。当授業での学外実習は3回目です。
毎年この時期に行われる奥山ほたる祭り参加4年目となった今年の会場は、昨年までの場所から交流施設「一輪亭」に移りました。
昨年までと同じく、男子学生は夕方から行われるホタル観賞会に向けて「水ろうそく」による集落内のライトアップ準備や会場警備、女子学生は「猪肉の串カツ」等の調理・販売を行いましたが、今年は祭り終了後に地域の人達と学生が懇親する場も設けることができ、とても有意義な意見交換が行えました。
7月26日、グリーンツーリズム論の履修学生15人が、当授業での学外実習4回目となる「ビオトープづくりと川あそび」に参加しました。奥山に行くのは先月のホタル祭も含め計3回目です。
奥山観光ほたるの郷ブログで報告されている通り、今回の交流イベント企画には参加者として想定していた地元小学生が他行事との関係で来れず、結果的には本学の学生と地元主催者による地域活動的な取組となりました。
暑い真夏の一日、最後は学生達も童心に返って川遊び。
奥山の大自然を満喫するとともに、この地域を支えていこうとする人達の熱い思いを肌身で感じたことでしょう。
3月8日(日)、「シンポジウム ひと・まちが輝く地域づくりに向けて−地域資源の活用と大学連携による地域の活性化」を福知山市三和町の三和荘で開催しました(主催:大原うぶやの里活性化推進協議会・成美大学)。
「大原うぶやの里活性化推進協議会」と成美大学は、「京の景観パートナーシップ」に関する協定を締結し、3年目を迎えましたが、この間、学生が地域の活動に参加をしながら、調査を行い、地域との信頼関係を築いてきました。
昨年度に引き続き2回目となる現地での報告会には60名を超える方々の参加があり、熱のこもった会になりました。
まず、三和女性コーラス「クールファザーン」の皆さんによる合唱で幕を開けました。
続いて、内山昭成美大学学長からの開会挨拶がありました。内山学長からは、我が国の国土構造を考える上での農山村振興の必要性や、地域においては物的資源ばかりでなく人的資源も大切であり、人的資源を充実させていくにあたっての教育の重要性について話がありました。
シンポジウムの前半は、これまでの取組概要紹介と、学生の成果報告でした。まず、滋野准教授から、3年前の協定締結に至ったプロセスや、この3年間の事業について、また大学が地域と関わる意義と課題について話がありました。
続いて、芦田拓也、藪下圭亮の学生2名が、この1年間の三和町大原地区でのフィールドワークを通して得られた成果について報告を行いました。
後半はパネルディスカッション。パネリストとして大原うぶやの里活性化推進協議会の林秀俊さん、みわまちづくり会議の大槻昭則さん、福知山市都市計画課の西畑信寿さん、福知山観光協会三和支部長の木畑忠幸さん、そして前半で成果報告を行った学生の藪下圭亮君がパネリストとして登壇し、「地域に学生が入ったり、地域が大学と連携することによって生まれた成果や課題について」「地域にしかない資源を活かした地域づくり」をテーマに、活発な議論がなされました。