当プログラムでは、2012年度には富山県南砺市城端、並びに埼玉県秩父市における先進事例調査、天橋立地区のコスプレイベント「GO-TAN」へのスタッフ参加、日本文化政策学会でのカフェ企画フォーラムにおける発表などの活動を行いました。2013年度は、これらの活動を継承・発展させ、以下のような活動に取り組んでいます。
①富山県南砺市城端地区における先進事例調査
<実施日時>
2013年5月4日(土)14:00~18:00 アンケート実施
19:00~21:00 城端曳山宵祭調査
5月5日(日) 8:30~14:30 アンケート実施
11:00~12:00 庵唄所望調査
<実施場所>
富山県南砺市城端 城端駅前(アンケート実施)
城端春日和会場(アンケート実施、庵唄所望)
2012年度に引き続き、アニメ「true tears」によるコンテンツツーリズムの成功事例である富山県南砺市城端地区に対して、より詳細な調査を行っています。城端は、室町後期に興り江戸時代には前田藩の寵愛によって栄えた歴史ある町ですが、曳山祭りは同地区での最大の祭事で、今日でも多くの観光客が訪れる祭礼です。今年は、その曳山祭の時期に合わせてアンケートを実施しました。祭り期間中にはアニメコンテンツの関連商品が限定発売されることもあり、例年にも増して多くの観光客が来訪され、アンケートとしても155件の回答を得ることができました。2013年末までには、集計並びに分析を完成させる予定で、城端地区のコンテンツツーリズムの成功要因をより具体的に解明してゆきます。
②富山県南砺市全域
<実施日時>
2013年8月21日(水) 12:30~13:30 城端観光案内所ヒアリング
13:30~18:00 「恋旅」調査
8月22日(木) 8:30~14:30 「恋旅」調査
<実施場所>
富山県南砺市城端 城端駅前城端観光案内所(ヒアリング)
南砺市各地(「恋旅」調査)
南砺市は城端のほか、利賀、平、福野、福光、砺波、井波等の地区によって構成されていますが、これらの地区全域を舞台とした地域限定配信アニメ「恋旅」という企画が、4月末より始まりました。目立った観光資源も無い地区への新しい観光誘客の方策として注目されるこの企画の仕組みと魅力を明らかにするため、8月実地調査を行いました。現地では、「恋旅」のシステムをダウンロード~視聴エリアに移動して地域限定配信アニメである「恋旅」を視聴~舞台となった場所でアニメキャラクターのARと共に写真を撮影~撮影画像を所定の交換所で見せてオリジナルポストカードやアルバムをもらう、という一連の「恋旅」企画を体験し、関係者へのヒアリングを行いました。全国でも最先端と言われるこの取り組みから、今日におけるコンテンツを活用した地域振興の新しいあり方を学びました。
<実施日時>
2013年8月9日(金) 11:30~14:30 コンテンツツーリズム調査
<実施場所>
滋賀県犬上郡豊郷町 旧豊郷小学校校舎群調査
<実施日時>
2013年8月10日(土) 10:00~16:00 コンテンツツーリズム調査
<実施場所>
長野県大町市木崎湖 木崎湖周辺(JR海ノ口駅、木崎湖キャンプ場など)
<実施日時>
2013年8月11日(日) 9:00~15:00 コンテンツツーリズム調査
<実施場所>
岐阜県高山市 高山市内(鍛冶橋、宮川朝市、上三之町、まるっとプラザなど)
8月に上記の3地区に対する調査を行いました。特に、各々の地区におけるファンと地元住民や行政、並びに製作者の間の協力体制、また催事や記念グッズの展開について、学ぶべき点を知ることができました。
本プログラムのアウトカム目標でもある「観光振興のための企画立案能力の習得」に向けて、本年度は下記の取り組みを行っています。
第2回産学連携セミナーin京都への参加と発表
<実施日時>
2013年9月4日(日) 14:00~17:15
<実施場所>
メルパルク京都 5階
<発表演題>
「歴史のまちをキャラと遊ぶ ~アニメ等コンテンツを活用した地域振興を目指して~」
日本観光振興協会が企画する「第2回産学連携セミナーin京都」に、観光振興に関する企画として、歴史的観光地におけるコンテンツを活用した「歴史のまちをキャラと遊ぶ」という企画提案を立案し、発表しました。過去の先進地区調査で得られた知見を用いて、「コンテンツを用いた観光振興において目指すべきものは、地域への敬愛の獲得」「そのために重視すべきは、ファンの価値観を共感すること」という主張を行いました。
福知山市には福知山城を始めとする様々な歴史的観光資源が存在しますが、これらに関わるよりディープな物語を、コアな歴史ファンを対象に、マンガで表現する企画を立案中です。