同志社大学
1アクティブラーニングの開発
1-1:京都市上京区を中心とする大学地域連携による地域活性化プロジェクト

京都市上京区を中心とする大学地域連携による地域活性化プロジェクト

大学地域連携のパートナーとなった待賢学区及び京極学区は、大都市中心部にありながら、人口の高齢化や少子化そして人口減少が進み、地域社会の維持が困難になりつつあります。その一方では、単身者向けのマンションやファミリーマンションが増えて地域とかかわらない住民が増えるとともに、独居を含む高齢者のみ世帯が急増しています。地域社会の機能を維持し、地域の持続可能性を高める手法の開発が喫緊の課題であり、従来のような手法では対応できないことから、地域住民団体、行政、そして大学の連携の下に、新たな地域づくりのモデルを開発し実践することとし、併せて参加学生のアクティブ・ラーニング手法の開発にも貢献するプログラムとすることを意図しました。

待賢学区においては、地域住民との連携の下、地域内の住民間コミュニケーションを活発にし、地域内の意思疎通を図ることを目的に、具体的なイベントや学習などを通じて地域の絆づくりの方法の探索を進めました。これらの調査、企画検討、実施の全般にわたって、学生と地域住民とのコラボレーションを中心としたプログラムとして、通年事業として「親子でつくる待賢防災アルバム」事業を、また3月には雛祭り、5月には子供の日、8月には地蔵盆などの恒例の行事に学生と地域とが企画と実施を行うとともに、12月の「待賢エコキャンドルナイト2015」事業を実施しそこには400名以上の来場者がありました。

京極学区においては、企画においては、高齢者や単身者世帯が増えていることから、これらの住民の交流を活発にしていくために、新住民を含めた地域住民が気軽に参加できるイベントを開発し、それを継続的に実施していくことによって、地域のつながりを取り戻すプロジェクトを進めました。学生の企画と、地域団体、民生委員、PTA、地元NPO、行政との協働によって、地域活性化の新たなモデルを開発しその実現を図るとともに、学生の主体的な参加による能動的学習プログラムの開発を進めました。出町商店街を中心に4月には地域発見ツアー「でまちになじむ」に始まり、7月の商店街のイベントである七夕夜店への出展、11月の京極文化祭への参加などの活動を行いました。また本年度は京都市上京区の支援も併せて得ることで、「継続的なキズナづくりへの第一歩事業」を実施することとし、通年で「京極まちづくり交流会」の実施を行いました。そこでは、子どもたちと高齢者の交流やその成果発表、地域のみんなでつくった音楽とダンスを結びつけた楽曲「つながる体操」の作詞・作曲、振り付けそして地域でのデビューなど、地域との協働を積極的に進め、「キズナ」づくりを進めてきました。

単発のイベントにせよ継続的な事業にせよ、地域社会の関係性を再構築しようとするその狙いは一定達成することができました。特に待賢学区におけるキャンドルナイトや「親子でつくる待賢防災アルバム」事業、そして京極学区の「つながる体操」は、広く地域住民からの注目も集め、社会的にも大きな成果を収めることができました。防災、環境、健康、教育、子育て、交流など、多様なテーマによる機能的な連携が可能であることが明らかになりました。

平成27年度