本プログラムの目的は、PBL型授業を中心とする学生活動によって、南丹市美山町で地域活性化に資するエコツアーの企画・実施を行い、大学と地域との協働関係をより深いものにすることである。
そこでは、学生が地域という現場に出かけていき、地域住民が日常生活では見過ごしがちな地域資源にスポットを当て、美山町が持つ価値を再発見・再発信することが目指されている。
そうすることで、地域には新たな可能性や若い活力が供給されると共に、学生は、社会の現実に触れ、より深い学びを獲得することが出来ると期待される。
南丹市美山町を舞台に、ほぼ9ヶ月間に渡って、PBL型授業に取り組んできた学生により、その成果をまとめ上げ立案した企画が、モニターツアーとして、南丹市美山エコツーリズム推進協議会主催で11月29日(土)・30日(日)に催行されました。ツアーを企画した学生9名は、美山町自然文化村などとともに、スタッフとしてモニターツアーを協働で進めました。
モニターツアーの企画に関しては、まず、フィールドワーク等で美山町の実情を資料や実際に現地を訪れることで情報収集を行い、それを通して課題や活性化への方法を探りました。今回は、「ツーリズムによる地域活性化は果たして可能なのか」という命題の検証を行うことが最終到達点であることを認識しつつ、現地でのモニターツアーを実施するということで得られる様々な効果や課題をもとに上記の命題を検証しました。学生主導のワーキングを主体にプログラムの作成、チラシ作成、情報発信、参加者募集、実施に際しての準備を行いました。
学生が導いたツアーのコンセプトとして、「美山の観光資源が活かしきれていない」、「40代までの年齢層での知名度の低さ」という課題を挙げ、美山町に若い年齢層の人に来てもらうには知名度が重要と判断し、「美山町の知名度を向上させる」ことをエコツアーのコンセプトとしました。
こうして、モニターツアーは「大人の修学旅行」と銘打ち、30代から50代の大人をターゲットとして募集されました。
その結果、「4名(女性・男性とも2名)」とツアー参加者は少なかったが、学生が開発したツアールートを、1泊2日かけて回ることとなりました。
このツアープログラムは、コンセプトである美山町の知名度を向上させることに重点を置き、「大人の修学旅行という観点で、童心にかえって楽しんでもらう」、「美山の様々な面での魅力、つまり地域資源に触れてもらう」ということを念頭にプログラムを組みました。
当日学生は、スタッフとして役割分担を行い、最初はぎこちない対応ではありましたが、次第に打ち解け、ツアー参加者をもてなし、直接ツアー参加者の反応を直接感じ取ることができました。
結果として目標でもあった最少催行人数(8名)以上での実施とはなりませんでしたが、ツアー参加者のアンケートからは、大変高い満足度を得られました。
<ツアー内容>
1日目(11月29日)
■かやぶきの里ガイドツアー
地元ガイドとともに集落を散策
■昼食
かやぶきの里の集落「北地区」にある「知井八幡神社」社務所で地元の方々による地元食材をふんだんに 利用した 食事が用意され、ツアー参加者と地域住民との交流を図る。
■ブナの森へ出発
地元ネイチャーガイドの案内のもと、五波峠を散策。
■夕食・ナイトプログラム
美山の昔話や地元手作りの「美山カルタ」を行うなどの交流。
2日目(11月30日)
■朝の散歩
■田舎の暮らし体験
地元住民の指導のもと、わら細工でしめ縄・カメ・首飾りづくりを行う。
■昼食
鹿肉の解体し、バーベキューの食材の一つとして、キャンプ場でBBQを行った。
■クロージングセレモニー(アンケート)
モニターツアーのアンケートを記入していただく。
本学と南丹市、美山まちづくり委員会が主催する第9回美山フォーラムが、12月14日(日)に、南丹市美山文化ホールにて開催されました。
PBL型インターンシップ受講生は、11月29日(土)・30日(日)に実施したモニターツアーの企画の成果発表を行いました。
フォーラムに参加された約180名の地域住民の皆さまに報告することによって、本プログラムの取り組みをはじめとする本学の取り組みを周知することができたのとともに、学生の発表に高い評価と感心を得ることができました。
これにより、今後のこの取り組みに対する地域住民の理解がより深まり、大学と地域との協働関係が進化したものと感じております。