本プログラムの目的は、PBL型授業を中心とする学生活動によって、南丹市美山町で地域活性化に資するエコツアーの企画・実施を行い、大学と地域との協働関係をより深いものにすることである。そこでは、学生が地域という現場に出かけていき、地域住民が日常生活では見過ごしがちな地域資源にスポットを当て、美山町が持つ価値を再発見・再発信することが目指されている。そうすることで、地域には新たな可能性や若い活力が供給されると共に、学生は、社会の現実に触れ、より深い学びを獲得することが出来ると期待される。
南丹市美山町を舞台に、ほぼ9ヶ月間に渡って、PBL型授業に取り組んできた学生により、その成果をまとめ上げ立案した企画が、モニターツアーとして、美山町観光協会と南丹市美山エコツーリズム推進協議会主催で平成25年12月7日(土)・8日(日)に催行されました。ツアーを企画した学生10名は、一般財団法人美山町自然文化村や美山町観光協会とともに、スタッフとしてモニターツアーを協働で進めました。
ツアーを企画した学生は、これまでの学修や調査により、豊かな地域資源を活かし、それを保護・保全する内容とすることにより、美山町の地域の問題を解決する一つの契機ともなりうるツアーとなるよう意識して企画いたしました。
このモニターツアーは「日本一の田舎で人生初の体験ツアー」と銘打ち、参加者は「親子」ないし「祖父祖母と孫」限定で募集されました。その結果、「13名(大人6名、小学生以下7名)」のツアー参加者が集まり、学生が開発したツアールートを1泊2日かけて回ることとなりました。このツアールートは、学生の「オール美山のエコツアーを本当に実践とするために、美山町の全ての地区を楽しみ学んで貰いたい、住民と参加者が関わる「場づくり」を創出したい」、また、「子供たちには「田舎」ならではの体験をしていただくことにより、日本の文化に触れてもらう機会を創出し、伝統文化の保全や食育といった教育的側面を持たせたい」という理念のもとに考案されており、すべての地区に少額ながらも経済効果を及ぼすと共に、美山内の地域連携を進める契機となりました。
当日学生は、スタッフとして役割分担を行い、最初はぎこちない対応ではあったが、次第に打ち解け、ツアー参加者をもてなし、直接ツアー参加者の反応を感じ取ることができました。ツアー参加者のアンケートからは、大変高い満足度を得られました。
<ツアー内容>
1日目(12月7日)
■かやぶきの里散策
地元ガイドとともに集落を散策
■ミッション「おいしい美山の食べ物探し」
2チームに分かれて「今晩の食材を探せ」のミッションに従って地域をめぐり、ツアー参加者と住民との交流を図る。
■持ち帰った食材で調理・夕食
住民のサポートのもと、料理を行い、かやぶきの家で地域の伝統食とともに食事をする。
■フリータイム
地元手作りの「美山カルタ」を行うなどの交流。
2日目(12月8日)
■朝のおさんぽ
■「おひさま寺」でわら細工とみたらし団子づくり
住民の指導のもと、わらのリース作りや団子を作り、囲炉裏で炭をおこし、団子を焼いて、いただく。
■石窯ピザづくり
地元の食材で作るピザを専門スタッフの指導のもとツアー参加者がつくり、いただく。
■アンケート
モニターツアーのアンケートを記入していただく。
<掲載メディア>
■京都新聞 平成25年11月6日(水)朝刊
■毎日新聞(京都版)平成25年11月21日(木)朝刊
■京都新聞 平成26年1月6日(月)朝刊