京都橘大学
2 大学地域協働の関係づくり
2-1:コミュニティアーツを活用したまちの繋がりと文化創発プログラム

コミュニティアーツを活用したまちの繋がりと文化創発プログラム

平成25年事業名:「文化創発地域実践型教育における各種アーツプロジェクトの意義と組織化

本プログラムは、「地域コトおこし事業」として、アーツマネジメント手法を用いた文化的資源の発掘と開発、それらを用いた多彩なアーツ表現などを通じて、地域社会の繋がりを広げコミュニティ意識を深めるため、それに必要な教育・学習プログラムを、京都市山科醍醐地区を中心としつつ京都府下等で開発・展開するものです。

美術領域から出発したコミュニティアーツを、音楽やダンス演劇などの実演芸術まで拡大した「アウトサイダーアーツ」という新しいコミュニティアーツ分野の開発を行います。現在のアーツマネジメントの理論と実践において蓄積された手法を用い、さまざまなワークショップの開催やファンドレイジングやソーシャルメディアの活用などを試行していきます。

そして、その開発を通して、地域の人びと、とりわけ、子供や高齢者、あるいは、心身に障碍のある住人の生活の質の向上や、まちの人たちのアーツを通した交流・繋がりを高めることを目指します。すなわち、先駆的なアーツの開拓と地域福祉文化コミュニティのマネジメントをリンケージすることによって、地域の企業、福祉組織、学校、各種公的団体、NPOはじめとする市民活動グループなど各種組織間を柔軟にネットワークするためのネットワーク人材としてアーツ関係者と学生・院生が担っていくことができます。

2013年度は、2012年度に着手した、めくるめく紙芝居プロジェクトを核とした「アウトサイダーアーツによる文化創発地域実践型教育」を引き続き主要な活動内容としながら、かえっこバザールから発展させていくこどもの文化創発環境形成としてのコミュニティアーツ環境づくりなどにおける成果も取り入れ、「文化創発地域実践型教育における各種アーツプロジェクトの意義と組織化」というテーマとして包含することで、複数のアーツプロジェクトの共通部分などを普遍化し、地域の公共的文化人材教育のためのプロトタイプ開発を行います。



平成25年度スケジュール(予定)

4月 めくるめく紙芝居 「おてらハプン!」(主催:m-fat/モファ -more field art team-)への参加準備

5月 めくるめく紙芝居「おてらハプン!」への参加

6月~10月 めくるめく紙芝居 ワークショップの実施と公演準備
めくるめく紙芝居の本公演に向けて、月1~2回程度、ワークショップを開催し、また、公演の準備作業を行います。

11月 めくるめく紙芝居の本公演を実施
山科青少年センターにて、めくるめく紙芝居の本公演を行います。

12月 ワークショップの実施
コミュニティアーツに関わるダンスのワークショップを開催します。

1月~3月  ワークショップの実施
コミュニティアーツに関わる音楽・美術のワークショップを開催します。

2月 シンポジウムの開催
文化創発地域実践型教育における各種アーツプロジェクトの意義と組織化をテーマとしたシンポジウムを開催します。

「おてらハプン!」参加報告

<実施日時・場所>

日時:2013年5月3日(金・祝)~6日(月・休)

場所:日照山東光寺(滋賀県守山市)

滋賀県守山市にある東光寺というお寺の「おてらハプン!」という地域芸術環境作り(コミュニティアート企画)のプロジェクトにめくるめく紙芝居プロジェクトとして参加しました。
参加準備として、4月21日(日)13時~16時に山科青少年活動センター大会議室にて、紙芝居公演の読み合わせ(「キセキのぞうさん」と「山科はいつも晴れだった」)と、劇中に踊る山科音頭の振付を創作するワークショップを行いました。

5月3日~5日は会場の1つになっている空き家にて、「MEK New たいしつ」というテーマで、絵やダンス&パフォーマンス、音楽、物語をつくるワークショップを開催いたしました。6日は、昨年度の4月~11月まで、ワークショップを積み重ねながら作った新作紙芝居『キセキのぞうさん』と「山科はいつも晴れだった」の再公演を行いました。

こどもたちと障害者の方がふれ合う機会というのはなかなかないと思うので、アーツを通じて交流できるということを感じることができたのでよかったです。

体で様々な感情を表し、それが人とのコミュニケーションの一つになることや、音楽があることにより楽しさが増すと心と体で感じることが出来たなどの感想が参加学生から得られた。

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イベント記録

第6回おてらハプン! in 東光寺  〜藝術体質〜

目をさませ!自分の中の表現衝動! 表現しないではいられない 芸術体質なアーティスト達がくりひろげる 刺激的な4日間。 心の奥から溢れ出して来る何かを感じたら、 あなたも立派な芸術体質

日時:2013年5月3日(金・祝)〜5月6日(月・休) あさ10時から夕方5時まで・雨天決行

場所:日照山東光寺 境内と隣接する古民家(滋賀県守山市幸津川町1189)

入場:無料

主催:モファ

協力:日照山東光寺

助成:独立行政法人国立青少年教育振興機構 子どもゆめ基金 申請中

後援:滋賀県 滋賀県教育委員会   守山市 守山市教育委員会

参加アーティスト:大林一哉(インスタレーション) 、 川崎千湖(陶による造形) 、 草笛由美子(草木染絵)、倉田めば(パフォーマンスアート)、小林三悠(ダンス以前)、出川晋(ボディペイント) 、ハマダユウ(パフォーマンス)、疋田由香里(自己照会)、ぷ・みつなみ(ダンス)、ホウカゴ(アートな寄り合い)、松原佳代(バスケタリー)、村田いづ実(踊りと歌(ボイス)と自作絵本の朗読のコラージュ)、めくるめく紙芝居(アウトサイダーライブ) 、山本玄匠(柿渋手描き染)、わたる(コラージュ、インスタレーション、パフォーマンス)、種池徹(廃材ペイント)、辻村耕司(インスタレーション)、三原美奈子(パッケージイグルー)、犬飼美也妃(パフォーマンスアートとその痕跡)、川本哲慎(インスタレーション)

やませいまつり参加報告

<実施日時・場所>     

日時:2013年11月4日(月・祝)

場所:京都市立山科青少年活動センター

京都市立山科青少年活動センターで行われた「やませいまつり」にめくるめく紙芝居プロジェクトとして参加しました。
参加準備として、ワークショップを山科青少年活動センター等で実施してきました。それをもとに、ダンスの発表と衣装づくりのワークショップを行いました。

衣装づくりのワークショップでは、材料にマスキングテープやスタンプ等を用意し、参加者が自由な発想で衣装づくりを行う環境を整えました。

好きな材料を使って、自由に創作を行ったり、また、アーティストや他の参加者と交流しながら創作することで、自分では予想していなかったデザインが作られていたようです。

そして、作った衣装を着て、フラッシュモブという手法でダンスの上演を行いました。衣装づくりのワークショップに参加した子どもたちが、ダンスの上演に参加するということも起き、とても面白いものになりました。また、お客様も巻き込んだ形での上演ができました。

まちの人たちのアーツを通した交流・つながりをみることができたと思います。

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↑ 6月9日 おてらハプンの報告と紙芝居のワークショップの様子

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↑ 7月7日 音楽のワークショップの様子

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↑ 8月25日 絵のワークショップの様子
美術家・ダンサーの秋山はるかさんと詩人・ダンサーの浜田優さんを講師にお呼びしました。

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↑ 9月21日 ダンスのワークショップの様子
仙台でコミュニティアーツに積極的に取り組まれている「すんぷちょ」の代表 千田みかささんを講師にお呼びしました。

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↑ 11月4日 やませいまつりの様子

 

 

アートプロジェクト「エイブル・アート近畿 ひと・アート・まち」参加報告

<実施日時・場所>     

日時:2013年12月8日(日)

場所:ゼスト御池 寺町広場

近畿労働金庫主催のアートプロジェクト「エイブル・アート近畿 ひと・アート・まち」に参加し、12月8日にゼスト御池にてワークショップとフラッシュモブ形式でのダンスの上演を行いました。ワークショップは、これまでの活動をもとに、衣装づくりや紙芝居づくり、ブルーシートに絵を描くことを実施しました。

地下街の中ということもあり、何も知らず通行していく人たちが、ワークショップやフラッシュモブ形式でのダンス上演に出くわすことになり、面白い光景となりました。ワークショップに参加したり、踊ってくれたりする人もいて、アーツを通じた交流の場を生み出すことができました。

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アウトサイダーアーツによる文化創発地域実践型教育シンポジウムの開催 報告

<実施日時・場所>     

日時:2014年2月22日(土)10時30分~16時00分

場所:アスニー山科

今年度の総括としてワークショップと、また、めくるめく紙芝居参加者、関係者、鑑賞者を交え、次年度以降の「コミュニティアーツを活用したまちの繋がりと文化創発」に資するため、シンポジウムを実施しました。

ワークショップは、めくるめく紙芝居参加アーティストである秋山はるか氏(美術家・ダンサー)と浜田優氏(ダンサー)による、「もぞもぞ こそこそ ひろい所とせまい所で絵を描こうワークショップ 」というタイトルで布などに絵を描いたり、電車ごっごを行うものと、手塚夏子氏(ダンサー・振付家)と大澤寅雄氏((株)ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室研究員)によるダンスのワークショップを実施しました。

その後、大澤寅雄氏から「文化創発としてのコミュニティダンス-まちの文化装置である盆踊りを中心に-」というテーマで、自身がリサーチで訪れた盆踊りや近代の盆踊りについての紹介をしていただき、ワークショップ講師をパネリストとしてお呼びし、シンポジウムを実施しました。

ワークショップ後、「普段の生活では絵を描いたりしないが、歳や障害がある、ないにかかわらず、みんな楽しんで、沢山の人と触れ合うことができた」などの感想が学生から得られました。

また、シンポジウムでは、「盆踊り」と「スーパーよさこい」の違いという話題から、キーワードとして「共有」と「統一(統率)」という言葉が挙げられました。「共有」という人と人との間、すきまに生まれてきたものを感じることといえるのではないかということになり、めくるめく紙芝居のワークショップについて検討しました。めくるめく紙芝居のワークショップは「すきま」があることで、自分でも思っていなかった表現に出くわす場になっており、このような共有を生み出す場から多様性への気づきや可能性の発見、寛容性を作り、そしてひいてはまちの繋がりにつながっていくのではないかという結論になりました。

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10月のワークショップ報告②

<実施日時・場所>

日時:2015年10月31日(土)13:00~16:00

場所:京都市立山科青少年活動センター中会議室

講師:秋山はるか(MuDA)

11月1日(日)に実施されるやましな"あえる"フェスタに出展する準備を実施。

写真を拡大し、色づけしたり、切り貼りするなど、空間デザインするための準備と、ワークショップを実施するための下準備を行った。

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平成25年度