佛教大学
1 アクティブ・ラーニングの開発
1-1:南丹市美山町における地域振興能力養成のためのプログラム開発

1-1:南丹市美山町における地域振興能力養成のためのプログラム開発

 本プログラムの目的は、地域との連携によって、中山間地域における地域活性化をテーマに、本学が地域連携協定を結ぶ南丹市美山町において課題解決型学習(Project-based Learning=PBL)プログラムを構築することにある。
 そこでは、地域の協力を得て、学生が地域という現場に出かけていき、社会の現実に触れ、地域の人々とともに地域の課題を解決していくことが目指されている。
 こうした学習形式は、社会科学の教育にとって大きな効果が期待されており、PBL型授業による学生への教育と社会貢献を一体させた教育研究活動を展開することを目的としている。

フィールドワーク(地域資源の学習)

 517日(土)・18日(日)に、地域公共政策士養成プログラムの一環として、美山町におけるPBL型インターンシップと課題解決型プログラム(ツアーの企画・運営)につなげるためのフィールドワークを行いました。具体的には、美山町内各所を回り、地域資源の確認を行うとともに、美山町の伝統文化について知見を深めました。特に、今回の調査実習では、美山町域の主な公共施設やコミュニティービジネス店、観光施設などを見学し、美山町の基礎的な情報の把握と理解に傾注しています。

フィールドワーク(地域資源の学習)

 6月14日(土)~15日(日)に、受講生が自らの関心に基づいて「定住促進のハードル」「地域資源を生かした環境教育」「観光資源としての特産品の現状」の3つのテーマに分かれ地域資源の視察や住民の意識等について聞き取り調査を行った。

 この調査によって美山町の課題と可能性を見出し、9月のPBL型インターンシップで、「観光による地域活性化」の論拠を検証するための行うモニターツアーの企画に取り組むための、課題整理とツアー造成のヒントを得ることができた。

 

 

PBL型インターンシップ

 二度のフィールドワークを踏まえて、美山町でのモニターツアーの造成のために、美山町での9月1日(月)~12日(金)まで約2週間のPBL型インターンシップを実施した。

 期間中、行政・公共施設(南丹市役所、医療施設等)、住民組織(地域振興会、まちづくり委員会等)、観光事業者(美山町自然文化村、観光協会等)の3つのグループに別れ、聞き取り調査、アンケート調査を行った。

 今回は、スポーツ、医療、伝統文化等の要素を広くリサーチし、美山町における地域活性化のために観光事業がどのような貢献ができるのかを模索し、最終日に美山町観光協会、美山ふるさと株式会社、美山まちづくり委員会の代表者にツアー企画を提案し、ご批評をいただき、ツアー造成のアドバイスをいただいた。

 

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フィールドワーク(情報収集とツアー企画の提案)

 二度のフィールドワーク、および、PBL型インターンシップで組み上げたモニターツアーの企画をより具体的にするために、10月18日(土)~19日(日)に、企画会議と、企画案のプレゼンテーションを行いました。

 まず、計画した体験内容を実際に体験するため、美山の里山での自然体験、さらに、伝統文化の体験としてわら細工(しめ縄、首飾り、亀)体験を行い、モニターツアー当日の学生たちの役割や内容の検討を行うことができた。

 最後に、美山町観光協会、南丹市美山エコツーリズム推進協議会、美山まちづくり委員会、日本エコツーリズム協会理事の方々にツアー企画をプレゼンテーションし、ご意見、ご批判を頂戴した。

 結果として、南丹市美山エコツーリズム推進協議会主催、美山エコツーリズム企画の1泊2日のツアーとして平成26年11月29日(土)~30日(日)に「大人の修学旅行」と題するモニターツアー実施への協力をいただいた。

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シンポジウム「エコツーリズムとまちづくりⅢ」 

12月11日(木)に、シンポジウム「エコツーリズムとまちづくりⅢ」を紫野キャンパスの常照ホールで開催し、述べ180名ほどが参加されました。

エコツーリズムが地域振興の観点から、どのような意義を持つのかを考える題材として、PBL型インターンシップ受講生が11月29日(土)・30日(日)に実施したモニターツアーの企画を授業の成果として発表し、その公開検証を行いました。

こうした取り組みは、本学のPBL型インターンシップをはじめとするアクティブ・ラーニングの内容とその成果を広く発信する目的を兼ねたものです。

成果発表の検証は、外部講師の内閣官房地域活性化伝道師の吉見精二氏にお願いし、この企画の地域振興の有効性から見た場合の講評を頂きました。また、本学非常勤講師の高御堂厚氏からは、学生の取り組みが地域住民からどのように評価されているのかについてのご意見をお伺いし、吉見氏や学生に加え、フロアの昨年度受講生とも意見が交わされました。

DSC03002.JPG 【佛教大学】H26年次報告書①_7.JPG

美山インターンシップ成果報告会

2月13日(金)に、11月29日(土)・30日(日)に実施されたモニターツアーの成果を美山の地元の皆さまに報告いたしました。

この報告会では、ご協力いただいた地域の皆さまに履修生が成果を報告し、特に指導いただいた方からの講評をいただき、エコツーリズムと地域振興について考察いたしました。

報告会の中では、ツアー参加者の満足度が高かったこと、また一方でツアーの広報手段に課題が残ったことなど、学生の調査により地域の課題が再発見されると共に、今後、どのような対策が可能なのか学生と住民の間で活発な意見交換が行われました。

地域住民と質的に深い議論を交わす学生を通じて、本取組のPBL型インターンシップをはじめとする学修の成果が確認できました。

 

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平成26年度