2015年3月 5日
第4回:土山 雅之氏
(一般社団法人京都経済同友会 「大学のまち・京都」を考える特別委員会 副委員長)
"産学公民の連携でさらに魅力のあるまち・京都を目指す"
「一般社団法人京都経済同友会」

土山  雅之氏

一般社団法人京都経済同友会
「大学のまち・京都」を考える特別委員会 副委員長
(土山印刷株式会社 代表取締役社長)

コラム写真(京都経済同友会).jpg

 1.京都経済同友会の「大学のまち・京都」を考える委員会活動について

 京都経済同友会におきましては、平成21~22年度より「大学のまち・京都」を考える研究委員会を発足しました。京都に数多くある大学、そして多数在住する学生を『大切な資産』と考え、それらをもっと京都の活性化に活かせないか、また、成果を大学や学生に還元するなどして、互いのプレゼンスを高めていくべきである、との問題意識を持ってスタートしました。当初、文部科学省が産学連携のキャリア教育を推し進めていたこともあり、京都にある大学と各企業を対象に、キャリア教育に関するアンケートを実施し、実態を調査しました。この調査結果と委員会活動をもとに、本委員会の2つの提言として、『「京都型産学公連携就職支援機構」の創設』と『海外留学生の受け入れ環境の整備と就職支援体制の充実を』をまとめました。

 平成23~24年度からは特別委員会として、前年度の課題を引き継ぎ、「"就職支援機構"を考える分科会」「"留学生支援体制"を考える分科会」の2分科会体制で具体案の検討と議論を行ってきました。

 特に"就職支援"の検討においては、一般財団法人地域公共人材開発機構(CОLPU)と共同で立ち上げた調査・研究会の発案により、本委員会が4つの大学および大学院で職業教育の協力講義を実施しました。そうしたなかで、"就職支援"については、卒業予定者とのマッチングといった"出口支援"よりも、大学教育として、より実践的な職業教育(就業体験などを含む)を支援するほうが本質的に重要であるとの考え方で一致し、人材育成型就職支援を重点に、その内容や体制を検討しました。

 両分科会の検討をもとに本委員会では、人材育成型就職支援の3つの提言『①オール京都体制による産学協力講義(職業教育)の実施を』『②企業と大学の共同プロジェクト方式によるPBLの推進を』『③実践型教育プログラムの事業主体となるNPО法人の設立を』、"外国人留学生支援"の3つの提言『①京都府・京都市の留学生向け支援施策の効果と効率を高め、更に一層の充実を図るため、両者は事業の整理、機能分担を』『②留学生にとって最も関心が高いといわれる「住居」について、関係者を中心に産学公民が連携し、課題解決を』『③オール京都による留学生支援のため、産学公民共同で「課題解決型プラットフォーム」の設立を』を提言書としてまとめ、府知事、市長にも報告、提言する機会をいただきました。

2.ワークショップ(ダイアログ)を通じた大学関係者、学生、行政関係者との対話と交流

  この平成25~26年度におきましては前年度の「第2回提言」を踏まえ、次の3点を運営方針として委員会活動を行ってきました。

①  聴講型ではなく、対話型のワークショップ"ダイアログ"形式で全員参加型の委員会運営とする。
②  企業経営者、大学関係者、学生、留学生、行政関係者が委員会を通じて交流を深めることにより、相互課題を共有し、共にその解決策を考える。
③  "ダイアログ"により浮き彫りになった課題や解決策を整理し、「第3回提言」を発表する。

 上記の方針のもと、実際に次の3回の"ダイアログ"を実施しました。 なお、"ダイアログ"とは、6~7人を1グループとし、自由に対話を行うことにより課題や問題認識を共有する対話型ワークショップの一つです。参加メンバーが互いに理解を深めることができ、また新しいアイデアが生まれる可能性も期待できる、とされています。

 第1回:「『留学生が残りたい京都』を経済界がつくれるか?」(学生6名参加)
 第2回:「京都企業の優秀な人材定着と大学に求めるキャリア教育のあり方」(学生16名参加)
 第3回:「グローバル人材の育成に中小企業ができること」(学生12名参加)

 "ダイアログ"におきましては、企業経営者、大学関係者、行政関係者の間で多様かつ活発に議論され、参加者の経験や考え方の多様性もあり、グループによって全く違う内容が話し合われました。お互いバックグラウンドが違うこともあり、話を聞くことでそれぞれの立場や課題が共有され、意義のある場とすることができたと思います。学生の皆さんも多数参加していただき、臆することなくそれぞれの意見を述べ、さらに関心のあることについては、どんどん質問や意見をいただきました。現在の学生の皆さんの充実した様子に感心すると同時に、社会人側は自らの学生の頃の経験談を話したり、現在の大学事情、学生事情の実態に大きな時間の流れを感じたりと、相互に十分な交流が図れたように感じています。学生の皆さんには社会人と実社会といったものを実体験する良い機会になったのではないでしょうか。

3.世界から選ばれる"大学のまち・京都"を目指して

 現在、本委員会では年度末に向けて今年度の提言をまとめています。"ダイアログ"の参加者より数多くの意見をいただいておりますので、「大学のまち京都」が抱える様々な課題の解決に資すること、ひいてはこの地域の豊かな未来を支える人材育成の一助となることを期待し、しっかりまとめていきたいと考えています。

 本会の代表幹事から、次年度の取り組みは「大学とイノベーション」「大学生とコミュニティー」のような明快なテーマをもって進めるようアドバイスをいただいております。世界に誇れる「大学のまち・京都」がさらに発展し、いろいろな意味で世界から選ばれるものにしたいと考えておりますので、今後も大学関係者、学生、行政関係者をはじめとした多くの方々と双方向で交流を続けながら大いに議論し、有為な青年の育成と未来の京都の発展につながる委員会運営を進めていく所存です。

 今後もますますのご支援、ご協力をお願いしつつ筆をおきたいと思います。ありがとうございました。

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